ボディソープ、シャンプー、トリートメント、食器用洗剤など、
それらは使う側に丁度良い濃縮度で作られているはず。
人それぞれご家庭のやり方があるだろう。
薄めようがそのまま使おうが、
私はそんなことをいちいち他の人に指摘するつもりは毛頭ない。
その家に行けばそれぞれのやり方があり、
黙ってそれに従う。
ま、それが一番波風もたたないある意味の常識だろう。
ただ、私は全て薄めない派である。
例外として、詰め替え終わって容器を捨てるときは、お湯を入れてシャカシャカ振って最後まで使いきる。
父はよっこらしょを持って、少しずつだがかなり家の中を歩けるようになり、お風呂にも入れるようになった。
春が過ぎGWが来る前には、介助すれば湯船にも浸かれるようにまで回復した。
湯船に浸かるには、それ相当の手順とこつが必要だったが。
父をお風呂に入れることについては、かなり苦労した。
(第26話 要介護5の父お風呂に入る の回参照)
父がお風呂に入れるようになると、
名奈があたかも清潔感ありありをかもしだしてきて、指令が出た。
「高齢者は、疥癬になるので毎日お風呂に入れて下さい。」
という指令だ。
ならば、何故コロナ退院後の2ヶ月間何度もお風呂に入れてあげたい、お風呂椅子の購入を訴えたのに一向に無視だったのは一体なんなんなん?
とツッコミたくなったが、ツッコミは入れていない。
ま、父はわりと素直に入ってくれるので、問題ない。
難なのは、母。
何度言っても屁理屈をつけて、お風呂になかなか入らなかった。
恐らく、その屁理屈やわがままを言うのも、人を選んでいた。
私だけなのだと思う。
実は妹たちはそこのところは苦労していない。
両親は、強引で恐い人には反論せずに従っていたのだと思う。
思い出したが、
一番最初に介護を始めた頃、父は寝たきりでおむつ状態だった。
おむつを変えたり、お風呂に入れたりする時には必ず、父のデリケートゾーンを見ることになる。
最初は、どこに目をやれば良いのか、隠すにもどうしたらいいのか、いけないものを見た様にどぎまぎしていた。
何度か介護するうちに、まるで赤ちゃんを扱うが如く平気になってしまった。
大事な部分も、はいは〜いっと!サッサと対処できちゃう。
おそらく父自身も事の前後がわからなくなっていたので、段取りの順番、直前の記憶、羞恥心もなくなってきつつあったのかなと推察する。
そんなある日、
父をお風呂に入れようとして、
ボディソープをプッシュすると・・・。
ピュッっと水が出てきた。
「冷たいっ!」
父の身体に飛んだ。
えっ・・・。
「あ、お父さんごめんね。
ん?なんだこれ・・・?
もしかして水?
昨日までは、ある程度入ってたのに?」
言い方は悪いがそんなに高くもない値段のボディシャンプーをさらに薄めるか?
誰やろ・・・?
実家には、母、早奈、名奈、私、時々私の娘、しか出入りしていない。
消去法でいく。
母×、娘×、もちろん私×、名奈×
となると、恐らく誰か想像できたが、誰かは突き止めなかった。
実は食器用洗剤も水で薄めていた。
それぞれの家庭のやり方なので、
「郷に入れば郷に従う」が如く、妹たちに従い
何も言わなかった。
そもそも実家なので、それぞれの家庭のやり方はあっても、
それぞれ話しあって譲歩すべきだと思う。
母のやり方は完全無視。
しかも母は何一つ家庭に必要な物も自分の物も、
自由に買う権利を完全に奪われていた。
早奈も名奈も洗濯用洗剤も、「ビーズ」粉石けん派だった。
これについても、水の冷たい冬、
粉石けんが溶けなくて服にこびりついていても、
ポケットに何故か粉石けんが詰まっていても、
何も言わずもう一度洗濯した。
うちはボールドジェルボール推しで、
仕上げはレノアハピネス アロマビーズ推しでも、
決してそれを使えと強制したりしなかった。
黙って粉石けんを使い、
黙って水増し洗剤で食器を洗っていた。
だが・・・。
浴用のボディソープの水増しだけは、
どうしても無理だった。
スーパーで詰め替え用が198円で売っている
ぶったまげるほど安い
(らしい。早奈が以前自慢していた)
牛乳石鹸 ミルキィを何故水で薄めるか?
ないわ~。
と心の底から思ってしまった。
そこで、うちで使っている、
ビオレ ザ ボディ 泡タイプ にさらに、
油性のマジックで
「お父さん専用」
と小さく書いた。
ついでにお気に入りの&honeyのシャンプーとトリートメントも置いておいた。
グループLINE内にも、
「ボディソープの水増しは、冷たい水が父にかかって困ります。」
と書いた。
特に問題は・・・?
ないはずだった。
だがそんなささいな事で大問題が勃発した。
早奈がそのことに対して発狂した。
グループLINE内もざわついた。
その事を責めてもいない。
早奈の主張は、
「水増し犯人は私じゃない!」
「名前を書くのはせこい!」
誰がやったとは一切言っていない。
それを責める気もなかった。
それ以来、未来永劫、
ことあるごとに妬まれ、
「恨み骨髄に徹す」がごとく恨まれた。
どんどん姉妹間がギクシャクしてきた。
たかが、ボディソープに「お父さん専用」とネーミングしただけなのに?
水増しが心地良い人が、父専用以外を使えばいい。