人として大切なこととは?

子、孫、そして次の世代に伝えておきたい忘れてはいけない記録

第21話 絶食事件 その②

早奈が、

「父を1週間から10日間絶食させる」

と専門医から聞いてきたが自分の意見を引かないので、全く収集がつかなく、前に進めなくなった。

 

私たち親戚間の意見交換には、グループLINEを使っていた。

それぞれの家庭があり、

それぞれが忙しい中、

携帯、メール、LINE、など

世の中ホントに便利になったと思う。

グループLINEもそうだ。

このグループLINEは、「みんな集まれ〜!」から「いろいろ情報網」という名前に変わり、元は連絡網みたいなもので、私が作り名奈とその子ども2人と旦那さんが初期メンバーだった。

「今度の土曜日実家に集まって食事会からの〜女子トーク?」

みたいなたわいもない会話用に利用していた。

 

ちなみに、このグループLINEのメンバーに私の家族は入っていない。

話題がぽぽ韓流ドラマと恋愛論でわちゃわちゃしていた頃に、娘を招待したが最初からこのグループLINEに入るのは、嫌がっていた。

娘は、随時私の携帯を開いて内容チェックしては、早奈の暴走ぶりを見てビックリ!驚いていたが。

息子は、私よりもさらにストレートに正論を言う「裸の王様に出てくるような危険生物」

なので、誘っていない。

私より8つ歳上の夫は、ガラケーなので論外だ。

 

その後、それに早奈家族が加わりぽぽ介護の連絡や意見交換の場となった。

 

文章は後世まで残る。

後で相手が何を言いたかったのかを読み返せる。

しかも、何度でも出すまでは書き直せる。

相手の表情はわからないが、

言葉によってある程度の考え方や、

意思が伝わる。

しかも電話と違い今すぐでなく、

読みたい時に見ればよい。

逆に見たくなければ見なければいい。

 

ちなみに、

早奈はそういったLINEに書く時でさえ、

意思疎通に関する文章表現や、

頭の中の散りばめられた言葉を、

組み合わせて文章で表現するのは、

苦手分野なのだと思う。

しかも、みんなが見ているという認識にも欠けている。

今、LINEを読み返すとわかる。

 

逆に、私はくどい。

なるべく誤解が生まれないように言葉を選んで、その言葉に説明を更に付けて書くので文章が長い。

グループLINEは、みんなが見ているという点を利用して、

「早奈の暴走」

「常識を問うような行動、言動」

「これはないやろ?」

というやり方をLINEメンバー全ての人に問うという意味と、

牽制の意味もあり、

わざとそれを利用して、会話していた。

例えば、旦那さんや子どもを見ている前でこれ以上言わないだろう。

と思っていたら、

それを上回って、毒を吐いてきた。

 

「父の絶食」ついては、

絶対に阻止すべき問題だと強く思った。

 

この父の血便については、

世の中の病院、専門医のシステムにまつわる

「たらい回し問題」も絡んでくる。

実家の近くにある病院の主治医は、総合的に診てくれるが、専門医ではない。

紹介状を書いて腸に関する専門医を紹介してくれた。

 

その紹介状を持って父を連れて早奈は病院に行った。

ところが専門医なのに、詳しく腸内を調べるための大腸内視鏡検査(大腸カメラ)がないという理由で(ホントかな?)

更に紹介状を書いてくれることになる。

 

今から思うと、寝たきりでやっとこさ

「車椅子にくくり付けられて」

来た、へろへろで要介護5の老人の腸を調べるのは容易じゃないと判断した。

だから、大きい病院へ紹介状を書いてたらい回しになった気もする。

 

ちなみに、

「車椅子にくくり付けられた」

は、嘘ではない。

腹筋が自立できない父は、車椅子から何度もずり落ちた。

一度車椅子から落ちると容易に持ち上げられない。

痩せたとはいえ重たい父を自力では持ち上げられない。結果、周りの人が助けてくれて、やっとこさ椅子に戻す事になる。

名奈も早奈も、病院に行く際には、ベルトで車椅子に父をくくりつけていた。

父は苦しかっただろうけど、言葉が出ないほど衰弱していた。

私は、そのやり方は無茶苦茶なのでやめてほしかった。

だが何も意見しなかった。 

自分の時には絶対にやらなかった。

 

早奈のLINEに書かれた言葉から見ると、どうも絶食を直接指示された訳でなく、

専門医から次の大きな病院の医師に伝える電話の内容の中に、「絶食」というキーワードが何度も出ていた。

それを「絶食」の指示だと早とちりした。

早奈がそれをそのままLINEに書いた。

要は、直接先生から絶食の指示は出ていなかのではないか?

と推測したのだが、

もしかすると早奈の伝言ゲームが正しいってことも、ひょっとするとひょっとするのか?

いや、それはないな。

と色々と考えてみた。

 

iPhoneは、システム的に会話を録音が出来ない。

Androidでは出来るようだが。

強行手段として、早奈に指示を出した専門医と、更に紹介された大きい病院の医師にそれぞれ直接電話して、医師本人に

「本当に絶食の指示が出たのか」

「医者の絶食指示はありえるのか」

を聞いた。

 

その際、その専門医の言葉を間違いなく記録する手段を使った。

 

私のiPhoneをスピーカーで会話し、その横に会社のiPhoneを置いて録音した。

 

そのボイスメモをそっくりそのまま、グループLINEに音声としてのせた。

 

専門医は、絶対に

「絶食の指示はありえない。

そんなことしたら、死にますよ。

そんな事言う訳ないでしょ。

常識で考えたらわかるでしょ?」

という内容。

大きい病院の医師も、

絶食なんてありえない。

検査前日でさえ消化の良い食事を提供していますよ。

という回答だった。

 

早奈の

この会話を載せた後の反応は、

「イジメ!」

だった。

 

実は、私が早奈のトンチンカンな間違いを指摘する度に、

「イジメ!」

「名奈とお兄ちゃんには伝えてます」

「お姉ちゃんだけ知らないこと」

挙げ句には、

「もう介護やめます!」

発言が登場した。

グループLINEも退出し、

面白いことに、

また自分の子どもに招待させて入る。

(恥ずかしさ極まりない)

を何度も繰り返していた。

 

小学生かっ!

子どもかっ!

アホか。

と何度もツッコミたくなったが、

実際にツッコミは入れていない。

 

とりあえずやり方は、少しやりすぎ感満載だったが無事、父は絶食はしない事になった。

 

↓グループLINEの会話

「最後の手すり問題」

妹の前では母は全て反論せず言いなりになる。

ところが、私の前では本音を言う。

それをお母さんのこんな意見もあるよ。

(決して私の推し意見ではない)とやんわり書くとすべてにおいて、母ではなく私の意見だ!と反論される。

ちなみに手すりを付けることは、実家なので親が使いやすいようにすれば良いと思っていた。

 

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