以前、名奈とグループLINE上で揉めたことがあった。
元々が名奈は主治医であるS医院の先生を嫌っていた。
名奈は脂質異常症の数値が高いので、薬を飲むように勧められていたが拒否していたので、それを先生に指摘されたことを根に持っていたからだと思う。
私は、主治医の先生は、長年父の身体の事を一番よくわかってくれているS医院の先生が一番いいと思っていた。
私の家族も何かあればS医院に行く。
介護の中で名奈は何度か主治医を変える提案をしてきた。
LINEの会話の中で、「主治医意見書」「診療情報提供書」「訪問看護指示書」という言葉が出てくる。
ちなみに、言葉についての解説
▶主治医意見書とは?
市区町村が要介護・要支援認定をおこなう際に用いられる書類のこと。要介護認定の申請者が介護保険サービスを必要とする要因について、主治医が医学的な意見をまとめる。
この書類に病気や怪我の既往歴、投薬状況、特別な医療の必要性、症状の変化の予測、生活機能低下の原因、認知機能の状態など所定の事項について記載するもの。
▶診療情報提供書とは?
俗に言う「紹介状」のこと。患者さんを他の医療機関に紹介する時に医師が書く書類のことであり、セカンドオピニオンを患者が希望した場合に、これまでの診療内容を添えて依頼する場合などにも使う。
▶訪問看護指示書とは?
訪問看護指示書は、介護保険と医療保険の制度を利用して訪問看護サービスを受ける際に必要な書類。有効期限は、主治医が発行後最長で6ヶ月。更新ごとに訪問看護ステーションの看護師から、主治医に書類記入の依頼をする。主治医は、患者の診療結果、訪問看護計画書、報告書をもとに訪問看護の必要性の有無を判断する。
名奈は介護関係のバイトをしているので、その点は詳しいと思っていた。
しかも、頑なに
「主治医を変えたい意志」
を絡ませてくる。
さらに、私が主治医は変更すべきではないと主張しているのに、
「S医院の先生に主治医変更の意志を伝えたのか?」
とシレーっと聞いてくる始末。
どんだけ変えたいねん!
私は最初から最後まで、名奈に言われた、
「訪問看護が出来なくなります。主治医意見書が必要です」
という言葉だけを信じて答え、行動しているので、全くブレていない。
しかも、主治医意見書とはどういう時に必要な書類なのか知らなかった。
ただ、名奈が「訪問看護が出来ない」=「主治医意見書が必要」というキーワードをくっつけてきたので、そのために必要な書類だと思っていた。
だが名奈は、会話の中で言っていることが二転三転していく。
名奈自信が把握していない書類の名前に、どんどん必要な内容を関連付ける。
書類の名前の内容を知らない私が、名奈のくっつけた書類名と内容を信じてしまう。
さらに、訪問看護してもらうには、S医院だと毎月書類を書いてもらう必要があると言う。
そもそもまだ訪問介護を始めて1ヶ月しか経っていないのに、S医院だけが毎月必要だと早とちり。
何だかおかしい?おかしい?と思いながら話しがかみ合わなくなった時点で、一度ちゃんと書類の意味を調べようと思い、ペンディングにした。
案の定、名奈の発した言葉の意味は全く違っていた。
一番最初に名奈が必要だと言った書類は、「主治医意見書」でもなく、その次に推移した「診療情報提供書」でもなく「訪問看護指示書」だった。
これだけ親密になっている主治医の先生から別の先生へ変えるなら、まずは主治医に相談が必要だろう。
そもそもが、そう簡単に主治医なんてあちこち変えるべきではないと思う。
名奈がS先生を気に入らないだけで、両親は40年近くずっとS医院推しなのだから。
それをH大に頼むとか、地域連携で変えるとか意味が不明である。
S医院なら実家から徒歩圏内であるし、先生は両親のことよく知っている。
名奈が変えようとしているD病院は確かにデイケアサービスで利用しているが、D病院のドクターからは一度断られている。
この会話で思ったことが1つある。
「情報」についてだ。
名奈は情報として書類名を述べていた。
私はこの、名奈の「情報」と言葉に振り回されてしまった。
「情報」とは、恐ろしいものだと身をもって実感した。
下記は長ーい会話の画像なので、覚悟が必要かも・・・です。
ちなみに、グループLINEだが誰も会話に入っていない。白色背景の会話の相手は全て名奈、黄緑色の背景は私。S医院に検尿を渡しに行くのも、書類を取りに行くのも、はなっから文句しか言わない早奈にお願いすることは誰も想定していない。
注釈 S・・・主治医の先生 S医院も主治医の先生の名前の医院
D・・・デイケアサービスに通っている施設の名前で病院も併設している
H・・・大学病院の名前
訪問介護・・・訪問介護サービス(父のために週3回お願いしている)
実際にS医院に行く必要があったのは、2ヶ月に1度でよかった。
名奈のいい加減な発言と、どうしても主治医を変えたいという自己中な考えにさんざん振り回されてしまった。