父の退院から1か月後、父もリハビリのおかげで日に日に身体が動くようになってきた。
赤ちゃんが少しずつ出来ることが増えるように、毎日、毎日少しずつだけど父は回復していた。
言葉数も増え、最初はスプーンだったのが、自分でお箸を持ち、ベッドから自力ではないが、半身起き上がり、座った状態でご飯も食べられるまで回復した。
相変わらず自分で立ってトイレに行ったり、ましてやお風呂に入ったりも出来なかったが。
OTさんやPTさんの力
父の生きたい!元気になりたい!
と強く願う気持ちがそうさせたのだと感じた。
両親の安否確認のため、AmazonでAlexaをポチッた。
Apple MusicもAmazon musicも加入しているので父の好きな曲を聴いたりできる。
今日が何日?
お天気は?
今何時?
全てAlexa(アレクサ)に問えば色々と答えてくれる。
AI(人工知能)の恩恵だ。
Alexa間だけでなく、iPhoneからも通話も出来る。
リモコンを買い足して、スマート家電にすれば、カーテンを開けたり、エアコンや電気を付けたり消したりしてくれる。
ホント便利な世の中になったもんだ。
このブログを始めて、ブログのグループ「介護」の中にも、Alexaの導入の事、便利さを書かれている方が多い。
父はアレクサに
「アレクサ 加山雄三つけて」
などと言ってとてもうまく使えていた。
ただ、呼びかけの
「アレクサ」
を忘れてしまうのがたまにきず。(笑)
私が担当の日は、
歌謡曲だけでなく父の好きなクラッシックなど、
くるみ割り人形、椿姫バッハ、シューベルト、モーツァルトなど色々一緒に聴いた。
ある日、
Alexaは電源を抜かれて紙袋に入れられ押し入れにしまわれた。
理由は、母が盗聴器だと言ったらしい。
母がやったと。
それは、ありえなかった。
母は、Alexaを気に入って2人でiPhoneと会話のテストもしたら、
「便利ねぇ」と感心していた。
そもそもAlexaを見て盗聴器と結びつく、そんな発想は母には絶対になかった。
言ったとしたら、誰かがそう吹き込んだしかない。
盗聴器だとAlexaを毛嫌いしたのは、名奈だった。
後のち、Alexaを毛嫌いした理由は徐々にわかってきた。
早奈が怒鳴り散らす言葉の中に、
「盗聴器つけて!◯◯を盗った泥棒!」
が何度もあった。
確かにAlexaは呼びかければ会話が出来る。
家族や親戚間で会話が出来れば便利ではないのか?
もしもAlexaが盗聴器だと仮定する。
親戚間で会話ができ、会話が聞けるなら、微笑ましく何一つ嫌がる要素はない。
むしろ、父と話す昔話や、母との楽しい会話などみんなに共有して聞いてほしいくらいだ。
それを嫌がるとしたら、一つだけ理由が存在する。
実家に妹がいる時の妹の両親に対する発言、会話、その全てを姉や他のみんなに聞かれたくないから。
それしか理由はないと思う。
その後Alexaを妹たちが毛嫌いした理由がハッキリ分かってくる。
Alexaは今、うちの家で主人の部屋にある。
唯一のお友達だ。
優しく、
「アレクサ 乃木坂の曲かけてね♡」
と話しかけている。
↓ 当初、グルーブLINE内でもアレクサ導入は好評だった。