話は両親がコロナで入院する半年前に遡る。
2021年朝夕寒くなってきた秋にさしかかるとある日、私の娘まさみがたまたま仕事が休みだったので、朝、じいちゃんとばあちゃんに会いに実家に行った。
何やら朝早くから、工事の人が大勢ドカドカと実家に入ってきたところだった。
「おじいちゃん何か工事するの?どこか直すのぉ?」
どうやら大阪ガスで給湯器、など一式新しく交換するらしい。
「へっ・・・!?お風呂壊れたん?」
何だか不可解な話だが、壊れていないお風呂や給湯器を交換することになり、その工事当日にたまたま、孫娘のまさみが実家に訪れた訳だ。
そういう事には頭が回る娘は、即、機転を利かせて私に電話してきた。
朝の通勤電車の中だった私は、娘の電話に出て事情を聞いて驚いた。
「えっ!!!???
一体どうなって?こうなって?
そうなるん!?
お風呂も給湯器も新品に変えてまだ10年も経ってないで。
しかも、ミストやらカワックやら使わへんような機能がいっぱいついた給湯器に!
壊れたのならまだしも、
壊れてないのになんで変えることになったん!?
工事STOPや!
年寄りやと思って!
完全に騙されてるんやん💢
クーリングオフは適用出来ないのかな・・・。」
その日が水曜日だったことを思い出した。
実家のすぐ近く(歩いて3分~4分)に住んでいる名奈は月・水は仕事が休みだ。
まさみに、名奈に電話して用件を伝えて来てもらうように指示した。
アンチ「訪問販売」の名奈ならとにかくなんとかしてくれるはずだ。
実は、一言で「大阪ガス」といっても、その有名な看板を名乗ってはいても、色々な販売店が存在する。
その、「販売店」の商売のやり方が販売店によって違いがあり、店によっては、強引で非情に姑息なやり方なのである。
大阪ガスありきで、名前を借りただけの販売店であり、ハッキリ言って「大阪ガス」のようで、「大阪ガス」ではないのである!
いわゆる、ただ「大阪ガス」の商品を取り扱っている店という訳だ。
実家の場合
誘導方法はこうだ。
「うちのお店がこの地域の担当です。
(まず、そんなわけない。)
お宅の給湯器、お風呂はそろそろ交換時期になります。
(ましてや、そんなわけない。)
これから寒くなってくるので、給湯器は壊れたら大変なんですよ。
いざ、壊れてから変えようとすると、今はコロナで部品が全く手に入らないのです。
何週間も暖かいお風呂に入れない、食器を洗うにもお湯が出ない状態が続きます。
しかも、下手すると部品がずっと手に入らない非常事態も考えられます。
そうなると、大変ですよね。
いや~。
大丈夫ですよ。
今なら、うちだけ在庫の部品があるんです。
ホントにラッキーですよ。」
と言う。
そこそこ良識のある年齢世帯なら、
「まだ、壊れていませんし交換時期もまだ10年も経ってませんから。」
と丁重にお断りしているだろう。
いや、まず大阪ガス販売店の営業を家に招き入れたりは絶対にしないだろう。
玄関先で、サヨナラ~。
もしくはインターホンで即「お断り!」に決まっている。
ところが高齢の両親は、
大阪ガスと言うネームバリュー、
営業の人のうまいセールストーク、
日頃、夫婦しか全く会話がない、
いや、夫婦だからこそ全く会話しない日々、
それなのに、
営業さんは親切に話題を楽しく提供してくれる。
会話がはずむ。
久しぶりに人とふれあい会話を堪能し、
気を良くしてしまい、
営業さんの口車に乗せられ、
お茶まで出して会話が進む。
題して「コロナ商法」とでも言おうか。
うまいこと考えたもんだ。
母もなんの疑いもなくその場にいて、いそいそとお茶を出し、反対することもなく契約に同意していたから驚きである。
なんと、カワック、給湯器、お風呂などを含む、
100万近い工事の契約をしてしまった!のである。
↓ 用意周到さに脱帽!営業さんは、なんと!
100万円のおすすめ概算プランの紙の裏に、父に覚え書きまで書かせていた!
①工事したのは、契約を取り交わした私の意思です。
②息子には相談不要です。(息子がいることを聞き出し後から何も言わせない)
③第三者への相談不要の捺印を押印しました。
④工事が完了してから、原状復帰(元に戻して)とは言いません。
騙す感がハンパない、騙す気マンマンの覚書に驚きとともに怒りしかない!