人として大切なこととは?

子、孫、そして次の世代に伝えておきたい忘れてはいけない記録

第5話 早奈サイバー攻撃事件

大阪ガス事件からはずっと、実家では平日のどかな夕食が繰り広げられていた。

実は、平日だけでなく土曜の夜は名奈家族、私の家族、弟なども集まって両親と夕食を食べたり、夜通し大好きな韓流ドラマ、韓流俳優、学校の話、昔話から政治、歴史に至るまであらゆるジャンルの雑談を楽しんだりしていた。

特に名奈は話しだすと止まることなく翌日が休みの日曜となると、おしゃべりに華が咲き、お互い笑いすぎてお腹が痛くなるほどで、夜中が過ぎ翌日の時間を刻んでももさらに話が続く。

話を聞くのに眠たい目をこすっては気が遠くなりそうになって聞くという羽目になっていた。

「眠たい」という意思もある一定の時間を超すと、今度は覚醒してしまい全く眠たくならないハイな時間がやってくる。

そこまで行くとさらにおしゃべりに拍車がかかり、気がつくと朝やん!さらに翌日のお昼前にやっと解散!という感じだった。

弟が集合に加わると、男料理に腕を磨き色々美味しい物を作ってくれたりもした。

過去にも名奈早奈のお誕生会などには、名奈家族(子どもは大学生、高校生)早奈家族(こちらも大学生と高校生)も全員呼んで総勢18人で盛大にワイワイと集まる時もあった。

そんな楽しかった日々が一瞬にしてヒビが入ってしまうことになった。

11月に入った終盤、いつもの如く確か平日の水曜日だったと記憶している。
家族みんなで、両親と夕飯を食べ終わり、デザートのメロンとぶどうを楽しんでいた。

そこへ突然、バタバタと大きな足音を立てて早奈が実家にやってきた。

相変わらず、いつものことだが誰にも挨拶もせず、

「お母さん、先日持ってきたあれどこ行った?」
とかなんとか?母にしゃべりかけていた。

私は姉の立場なのに、目も合わせようとしない。なんとなく母に対する話し方もかなり機嫌が悪そうなこと、こちらを見向きもせず、無視状態で母とコソコソ話していた。

こちらも特に気にすることもなく、父とおしゃべりを楽しんでいた。

テーブルには、メロンとぶどうが置いてあった。
ただそれだけだった。

突然、早奈が響き渡るような大きな声で発狂し出した。

「贅沢して!親のお金をせびって、親にお金出させて!夕食?!はぁ?笑わせるわ!

 親のお金でメロンにぶどうまで親に買わせて!デザートまで食べて!親のお金で贅沢するか!?”お前ら!帰れ!親のお金を使うな!

 名奈もお兄ちゃんもこのこと!ずっと言ってるねん!みんなでずっと話し合ってるから!仲間から外れてるのはお姉ちゃんだけ!やから!

親にお金をせびってるって!親のお金を狙ってるって!みんな知ってますから!!知らないのは気がついてないのは!本人だけ!」

呆気にとられた。

「早奈ちゃん???何言ってるの?確かに実家に来てご飯食べてるけど、全部会社の帰りに私が買ってきてる物だよ。1円足とも親からお金はもらってないよ。」

と言って、財布からレシートを出し、

「今週、先週、先々週、そして今日のレシートを見てみたら?ぶどうもメロンものってるよ。お母さんは何も買ってないよ。私が全部会社の帰りに買ってきた食材だよ。」

と彼女に見せた。

実はどんぶり勘定の私だが、逆に物が捨てられない性分でレシートも何年分もきちんと分けて保管している。
半月分くらいなら、財布にどっさり入っていて、1ヶ月分をクリップし封筒に入れて保管してある。

このおかげで、返品やレジの打ち間違えなども発覚してもレシートだけは捨てずにちゃんとあるので役に立つ。

半年前や一年前でもどこで何買った?どこに行ったなども確実にわかる。

突然の怒鳴り散らしにビックリしたが、さらに私の回答が気に入らなかったのか、しきりに、自分でなく他の兄弟が言ってると強調していた。

「名奈が言ってたけど!孫達が家の中の物を次々に壊してこっちは困ってるねん!(完全に濡れ衣なのだが)ソファも椅子も額も!落書きも!ハタキも何本も壊してるよな!全部お金で弁償しろ!迷惑してるから関係ない孫は実家に来るな!」

父は、

「うるさい!早奈!お前が一番うるさい!帰れ!二度と来るな!」
と何度も言ってくれかなり怒ってくれた。


「早奈ちゃん、どうしたの?あなたが帰りなさい!私は食事代一切出してないのよ?誤解よ。早奈が帰ってちょうだい!」
と母も言ってくれた。

バツが悪かったのか、しまいに、TVを見ていた孫のリモコンを手からもぎ取り、孫を押し倒した。

「あんたたち!この家の物に一切触るな!出て行け!来んな!ここに来んな!」

と何度も大声を出した。

ホントに手の付けようのないドナリチラシ方だった。

(アホか)・・・私の心の中のつぶやき

結局、そこにいる誰もが大声での突然のドナリチラシに圧倒されて呆気にとられ反論しなかった。

言う事がなくなったのかそそくさと早奈はその場を去った。

一体、何しに来たのだろう。。。?


あまりにも言い掛かりすぎて呆れたと同時に、こんな理不尽すぎる誤解されるのは腹が立つ。

実家にはもう来ない!と決めた。

両親にも、

「あそこまで言われて、実家に来るのは嫌だからもう、来ないから。」

と言って私達も自分の家に帰った。

孫に手を出したこと、完全に誤解、濡れ衣でしかないこと、全てに対してかなり、頭に来た。

でも。。。

あのとき、もう少し両親の日常会話のおかしさ、脳の衰え方の速度、身体の衰え方などをしっかりと見極めていたなら、絶対に両親を見放さなかったのにと後悔する事になる。

 

毎回、両親のために沢山の種類を食べて

もらえるように心を込めて献立を考えて作った。

         (Instagramより)

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