人として大切なこととは?

子、孫、そして次の世代に伝えておきたい忘れてはいけない記録

第44話 逃げられない事実

時は、約10年前に遡る。

2010年12月3日、私のおばあちゃんである祖母が逝去した。

1994年8月20日祖母逝去の16年前に祖父は既に亡くなっていた。

祖母祖父が亡くなってからずっと1人暮らしだったが、1人で何でもこなし気丈な人であり、頭の方もしっかりしていてとても元気だった。

 

祖母は自分の家を命と同じくらいも大事にしていた。

よくそれを聞いて私は家を持ってあの世には行けないのになぁと思った。

祖母はよく言っていた。私の家は、設計も自分が携わっている。かなりのお金をかけてメンテナンスをして愛着がある。

私の大事な家は必ず受け継いで住んでほしいと。

もしも売ったら化けてでるからな!といつも言っていた。

 

父は3人兄弟。

父の下に弟、その下に妹がいたが、長男であり、約束通り家を継ぎ祖母の家に住むと約束し相続した。

私は詳しくは知らないが、父の弟に譲る選択肢もあったが、結局父が継いだらしい。

相続が原因で父は弟との仲は険悪になり、今はどこに住んでいるのかもわからない。

 

父も母も祖母との約束の言葉とは裏腹に、母が亡くなる前から家を売りに出していた。

祖母との約束は守られず、1年3ヶ月後の2012年3月30日、父は祖母の家を売却してしまった。

家と土地を含めて、3,000万円で売れた。

それから約半年後の2012年11月5日私は、確かに父から600万円借りた。

この揺るぎない事実の全てが、妹から疑われる起因となった。

恐ろしいほど偶然が一致していた。

 

① お金を借りた時期(祖母の家売却から約半年後)

② お金を借りたタイミング(家売却代を父が持っている)

③ お金を借りた事実

④ 父の日記の記録

⑤  父から借りた金額と実際に必要だった金額の偶然の一致

 

嘘みたいな話しだが、完全に疑われてもしょうがないほど。

 

600万円を借りたのは紛れもない事実ではある。

だが、名奈の言葉で嫌な予感がよぎった。

 

「どうせそういう人は、ギャンブルにお金を使って消えているかもしれないですね。同じことを繰り返しひらきなおる」

 

もしかしたら実は主人が頭を下げて600万でなく都合良く2600万を父から借りたのではないか?

そして、黙って使ってなくなった!?

 

一番最初に主人を疑った。

ドキドキしながら主人に詰め寄った。

主人には確認したが、だがそんなことはありえなかった。

主人も否定しているし、冷静に考えれば父がそんな大金を主人に貸すわけがなかった。

 

では、もしかして私が実は2600万円を借りた犯人で、父に返さずに忘れてしまっているんだろうか。。。

 

自分自身に自信が持てず、ボケたのかしら・・・?と思ってみたりもしたが、絶対に違う。

 

実は、父にお金を借りた時の事情と理由があったから。

ただ、その証拠が一切見つからなかった。

そもそもが親子での貸し借りだった600万円のみなので、契約書なんて一切交わしていなかった。

どうしよう・・・。

私は窮地に追い込まれてしまった。

 

だがその時は、

もしも何かの方法で証明出来れば、妹の誤解は解けるだろう。兄弟が協力してくれれば、通帳記録や父の家計簿などを調べれば何か原因が見つかるはず。

もしくは、まだ見つかっていない貯金の場所があるかも?と思った。

そうすれば誤解が解けて名奈とは元の仲に戻れるだろうと安易に構えていた。

そこから地獄が始まるとは知らずに。

 

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