人として大切なこととは?

子、孫、そして次の世代に伝えておきたい忘れてはいけない記録

第48話 ひらめき ③

ここで少し「ひらめき」番外編

時は平成元年、昭和64年1月7日、昭和天皇崩御されて昭和の時代に幕を閉じた。

丁度、この時も「ひらめき」によって私は結婚へと導かれた。

 

丁度私は、会社に入って4年目(まだ結婚していない)昭和天皇崩御された翌日に、24歳になったばかりである。

両親は、私が4年生の3学期から住んでいた持ち家であるマンションを引っ越しする予定だった。

父こそが奇跡的な偶然の積み重ねから一軒家を購入することになったからだ。

そんなことで住んでいたマンションは売りに出す予定だった。

もちろん、マンションが売れることは一軒家購入の資金の一部になる必須条件だった。

 

その日も夜寝ていた時、ハッと目覚めて「ひらめき」が起きた。

「家を購入」という思いにもよらない発想を突然ひらめいた。

① 父が売ろうとしているこのマンションは、いくらで売れるかな?

② 家ってどうやって買うのかしら?

③ 高価な買い物だから、ある程度貯金が貯まってから買うんだろう。

④  家探しって大変。場所、環境、将来の子どもの環境、色々考えないといけないし。

⑤ その点この家を買えば、自分の住んでいた場所だから心配ない。

・・・ 私でも家は買えるのかしら?

モヤモヤしたので、朝イチに父に聞いてみた。

「私も家って買えるの?貯金では到底買えないと思うんだけど。」

「お父さんは、この家いくらで売るの?相場・・・?いくらかな?」

と聞いてみた。

「だいたい、みんな家を買うときはローンを組むんだ。例えば、ここのマンションでお金を借りるとしたら、住宅金融公庫、銀行から借り入れできる。

もちろん頭金が多いほど、毎月返すローン金額は安くなる。変動金利、固定金利ってのがあって、どちらかを選ぶことにより、金利は変わる。今は金利が安いから固定がいいと思うよ。」

と教えてくれた。

「もしも、今、貯金が800万ほどあるんだけど、マンションの相場の金額で私が彼氏と共同で買うというのはどうかな?」

と聞いてみた。

「きちんとローン審査が通ってここのマンション相場で買ってくれるのなら、娘でもいいよ」

と返事をくれた。

 

「住む家」確保が先で「結婚」が後回しという変な構図が出来上がった。

 

彼氏(今の旦那さん)に報告したら、では先に結婚しようかという話しになった。

8歳年上の彼氏は、いつでも何でもたいてい私任せなので、二つ返事で承諾だった。

 

① 家を買うので、結婚式にお金はかけたくない。

② 親も家を買うので結婚式は親にも費用負担をかけたくない。

 

できる限りシンプルな形式だけの「地味婚」で行こう!ということが決まった。

当時はまだ、「寿結婚」「寿退社」「結婚したら会社を辞める」のが当たり前だった。

無駄に使えない人形を並べ見栄の張り合いみたいな派手な結納、何百万も掛けて何度もお色直しをする派手な結婚式が当たり前だった。

そういった簡略した方法も親世代や世の中では、

「一生に一度のイベントなのに・・・」

と結局は通用しなかったと思う。

今では、「地味婚」がさらに発展し「無し婚」も選択肢があるそうだが。

結婚式は近くの教会で(エセ信者)披露宴はレストランで食事会、親しい人だけの招待にした。

ウェディングドレスはレンタルして、自分で依頼して、プロカメラマンに夫と一緒の写真と教会での集合写真も撮ってもらった。

もちろん、家出を繰り返し親に迷惑をかけていたこともあり、結婚費用は全部自分で用意した。

結婚式前日の夜までかかって、招待した方1人1人顔を思い浮かべて全員にメッセージを書いた。

会場の用意、手書きのメッセージ、式次第、引き出物、全てが手作りの結婚式だった。

夫の姉、その子ども2人、今は亡き兄、そして田舎にいる今は亡き優しかった両親も結婚式前日に鳥取まで迎えに行き、結婚式に出席してくれた。

父から結婚の際にもらったお祝いは、「客布団2組」これだけは何故か費用を出してくれた。

たまたま父とお店に引き出物を選びに行った時、私がずっと見ていたら父が、お祝いにこれくらいは出してあげようかと買ってくれた。

8月末には父が引っ越し、そのまま自分はマンションに住み、10月8日(日)大安吉日に結婚式を挙げた。

結婚式前日に、夫の両親が寝たのが、父が唯一買ってくれた客布団2組、利用第1号だった。

鳥取に両親を送りに行った翌日から一週間、大好きな沖縄に新婚旅行に行った。

ちなみに沖縄は大好きすぎて、毎年GWと夏休みは必ず10日~14日間沖縄に滞在している。

 



父からマンションを買った金額は、2,300万円、頭金が800万、残りは住宅金融公庫から、私と旦那さんの共同購入ということでローンを組んだ。

不動産手数料が、お互いで売り買いするので浮いた。

手続きは簡単だったが、ちゃんと住宅金融公庫と銀行から借りたので、父とのお金の貸し借りは1円もなしで、購入した。

 

この時の書類は、法務局へ行くと「不動産に関する権利の経緯」が誰でも閲覧出来る。

それを見れば、夫と私が共同で住宅金融公庫と銀行からお金を借りて、父からマンションを間違いなく購入したことがわかる。

 

実は、このマンションの事すらのちのち

「マンションもお父さんにお金を出させてますよね!この汚い女が!」

と名奈から罵られるはめとなる。

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