人として大切なこととは?

子、孫、そして次の世代に伝えておきたい忘れてはいけない記録

第56話 土曜日早朝の嫌がらせ

とんでもない嫌がらせがどんどん増えてきた。

毎日敷布を洗え、1度使ったシーツや枕カバーを押し入れに入れるなというメモが書かれていた。

毎日洗わないといけないようだ。パジャマはわかるが、果たして名奈の家は家族全員の布団カバー、枕カバーを毎日洗っているのだろうか。

写真にある花柄とシマシマのカバーは私が自腹で買っかてきたものだ。

予備に2組あった布団はカバーと一緒に消えてしまった。

残ったのは、両親の布団2組だけ。

他にあった布団も全部消えた。

2階のベッドに重ねてあった布団はご丁寧にもビニール紐でキツく何重にも縛られていた。

徹底的に使えないようにされてしまう。

朝夕寒くなってきた時期に布団がないのは辛い。

しばらくは薄い毛布とソファで寝ていたが、結構キツかった。

父もだいぶ良くなったし、夜は寝るだけだから母に一旦帰ってもいいよと許可をもらった。

その頃、母は妹たちにされたことをブツブツ文句を言うと嫌がった。

どちらかと言うと考えが妹寄りなのかな?と感じることが少し多くなってきた。

確かに、

「完全にキチガイやん!」

と言い過ぎだったことは否めないが。

「あなたはお姉さんでしょ?妹たちのことを悪く言わない。」

とたしなめられた。

 

母は警察が来た事(戦友事件参照)は最初覚えていたが、なんで来たのか、原因が何かはわからないようだった。

ただ、近所迷惑だった、警官がたくさん来たから近所の目が恥ずかしい。このあたりは静かに皆さん暮らしているところなのに。

としきりに言っていたが、そのうち警察が来たと話すとビックリして「なんで?!」と聞いてきたので、警察が来たことも記憶から消えてしまっていた。

 

父は、その状況さえも全く無関心だった。

数分前の出来事でさえ覚えていなかった。

「さっき食べたの何?」

「今日、どこ行ったっけ?」

と聞いても記憶が全く抜け落ちていた。

でも、私や娘や孫の顔を見ると、とても嬉しそうな表情をしてくれた。

実家に行くと必ず、

「おはよう!今日はどこ行こうか、晩ご飯何食べようか?」

と聞いてきたので、私が来るとどこかに出かける、私が来ると美味しい物を作ってくれるという記憶は残っているようだった。

しかも、妹たちの事を

「あいつらがのさばっている。でも恐いから黙ってるんや。」

といつも言っていた。

妹との会話は一切ない、喋りたくもないとも言っていた。

記憶のどこがどう消えて、どこが覚えているのかがとても不思議だった。

恐らく起こった物事は忘れても、奥底にある感情が消えていないのだと思う。

 

布団を隠されたこともあり、金曜日の夜は様子を見に行き一旦自宅に戻り、改めて土曜日の朝実家に行くようにした。途端・・・。

 

朝の5時50分頃実家に行くと、駐車場に名奈の自転車はなかった。

玄関に入ると誰かの靴に気がついた。

たぶん名奈の靴だと思った。

嫌な予感がして、胃がキリキリ痛んだ。

案の定、名奈は寝巻きみたいな服で腫れぼったい目をして、さらに目をつり上げていた。

偵察に来ていたのだ。

① 娘と孫の実家への出入りを禁止されていたので娘達が来ていないか。

② 朝ご飯を6時迄に食べさせているのか。

どちらかのネタで攻撃しようとしていたのだ。

だから、わざと自転車に乗って来ていなかったのだ。

要はわざわざドナリチラすために朝もはよから、起きて実家に来た。

ご苦労様なことだ。

父と母を起こしてパンを準備していた。

まだ、食べていなかったので、あと10分早く来たら良かった!

第一声が、

「何、のこのこと今頃来てるん!!!お父さんもお母さんも朝は6時迄に食事を終わらせないとダメ!お年寄りは朝お腹すかせているから!普段お父さんに砂糖ふりかけた甘い菓子パンばかり食べさせてるし!」

と言う内容を何度も言っていた。

ヒッヒッと息をし、鼻息をフガフガさせながら、待ってましたとばかりに猛攻撃してきた。

 

名奈はパンの用意を持って実家にきたのか。

はたまた、一旦実家に偵察に来て、まだ私が来てないのを確かめてからパンを持ってきたのか。

どっちにしろ担当日でもないのに実家に来たのだ。

だいたいが6時迄に朝食完了って誰が決めたんだろうか。

「一切お父さんを昼間寝かさないように!」

とも言われた。

 

その頃から名奈が攻撃してくると、黙ってじっくりと観察するようになっていた。

攻撃態勢に入ると、まず異常に興奮して同じ言葉を何も連呼し、さらに少しバージョンを変えた言い方で繰り返す。

ヒッ、ケッ、カッ、グハッと変な声を言葉の合間に出し、息がどんどん上がって目がつり上がってくる。

そして、攻撃のネタを次々に思い出し、とどんどん話題をスライドさせていく。

名奈はよく、

「うちは家族全員が土日は干物生活やね~ん。昼の2時とか3時頃にやっとごそごそ起きてくるから朝ご飯も昼ご飯もスルー(笑)作らなくていいのよ。」

と言っていた。

自分は干物になるまでだらけてよくて、両親には一切許さない。

何なんだろう?

 

一言言い返せば、10以上の攻撃が返ってくるので、ずっと名奈がすることを見ていた。

トーストにガリガリとマーガリンを塗り、その上にに玉ねぎとキャベツ?にケチャップを塗ってピザ風?トーストを作り両親に提供していた。

「あまり美味しそうじゃないな、朝食メニューしょぼっ。これだけ?」

とは言わなかった。(心の中の声)

ただ名奈の勢いがなくなったところで、

「今日から2日間は私が担当の日だよね。言いたいことは承知しました。どうか、帰ってもらえますか?」

と言った。

父は黙って名奈のピザ風トーストをボソボソと食べていた。

もう気が済んだのか、攻撃ネタがなくなったのかそそくさと帰っていった。

後で和室を見たら、なんと・・・寝られないようにベッドが片付けてあった。

だいたい、土日は両親と出かけるのでベッドで寝ることはないので別に困らなかったが、そこまでするかー!と笑ってしまった。

早奈、名奈にやられたことはそのままにして絶対にやり返さなかった。

更にそのやり返しが酷くなるだけだからだ。

↓ 名奈が去った机の上にはメモが置いてあった。

 

↓ 私の作った朝食メニューの一部。必ずフルーツを添えている。

決して手抜きせず、せめて土日祝日だけだが心を込めて作った。

Instagramより)

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